ナレッジと検索
IEC 62304・ISO 14971などの規格の条項をRAGで検索し、根拠と引用のある正確なドキュメントを作成する方法です。
規制対応のドキュメントで重要なのは、「もっともらしい」文章ではなく、規格のどの条項に基づいているかです。Specifyには、医療機器ソフトウェア・リスクマネジメント・サイバーセキュリティ分野の規格条項を収めた規格文書ライブラリがあります。エージェントはドキュメントを書く間にこのライブラリをRAGで検索し、見つけた条項を引用しながら書きます。
収録されている規格
| 規格 | 版 | 分野 |
|---|---|---|
| IEC 62304 | ed1.1(2015、統合版) | 医療機器ソフトウェアのライフサイクルプロセス |
| IEC 62366-1 | ed1.1(2020、統合版) | 医療機器のユーザビリティエンジニアリング |
| IEC 82304-1 | ed1.0(2016) | ヘルスソフトウェア製品の安全 |
| ISO 13485 | 2016 | 医療機器の品質マネジメントシステム |
| ISO 14971 | 2019 | 医療機器のリスクマネジメント |
| ANSI/AAMI SW91 | 2018 | ヘルスソフトウェアの欠陥分類 |
| AAMI TIR57 | 2016 | 医療機器のセキュリティリスクマネジメント |
| AAMI TIR97 | 2019 | 市販後のセキュリティリスクマネジメント |
| AAMI CR510 | 2021 | 品質システム・医療機器におけるパブリッククラウドの活用 |
| ISO/IEC 29147 | 2018 | 脆弱性の開示 |
| ISO/IEC 30111 | 2019 | 脆弱性の取り扱いプロセス |
旧版のIEC 62304 ed1.0(2006)も、版を指定すれば検索できます。規格の原文は英語で、条項単位でインデックス化されています。
正確なドキュメントができるまで
規格が扱う分野の開発ドキュメントを書くとき、エージェントは次のルールに従います。
セクションごとに規格の条項を検索
主要なセクションを書く前に、そのテーマに該当する規格の条項をまず検索します。関連する規格がわかっている場合は、その規格に範囲を絞ります。
検索した条項だけを引用
要求事項が規格の条項に基づく場合は、条項のリンクで引用します。例:
IEC 62304 ed1.1 §5.2.2。今回の会話で実際に検索した条項だけを引用し、条項を作り上げることはありません。自分の言葉で言い換える
規格の文章を長く書き写さず、ドキュメントの文脈に合わせて言い換えます。定義された用語のような短い部分だけを引用符で引用します。
規範と推奨を区別
強制力のない参考(informative)の条項は、要求事項ではなく推奨として書きます。
根拠がなければ[GAP]と表示
裏付けとなる条項が見つからない内容には
[GAP]と表示し、人が確認できるようにします。参照規格の表で締めくくる
ドキュメントの最後に参照規格のセクションを設け、規格・版・引用した条項を表にまとめます。
認証対象の版を指定すると(例:「IEC 62304 ed1.0に基づいて」)、その版を基準に検索します。
ドキュメントで引用を確認する
ドキュメントとチャットでは、規格の引用は条項のラベル(例:IEC 62304 ed1.1 §5.2.2)が付いたチップとして表示されます。チャットでは、チップを押すと規格、版、条項のタイトルを確認できます。
- 置き換えられた版を引用すると、置き換えられた版と表示されます。
- ライブラリにない条項を指している場合は、**規格ライブラリにない参照です。**と表示されるため、すぐに気づけます。
- 規格の原文は、ライセンス上Specifyの画面では閲覧できません。原文は、お持ちの規格文書で確認してください。
医療機器ドキュメントパックで始める
プラグインのmedical-device-docsをインストールすると、規格を根拠にドキュメントを書く10種類のスキルをすぐに使えます。

| スキル | 作成するドキュメント | 根拠となる規格 |
|---|---|---|
| certification-profile-intake | 認証プロファイル(製品・安全クラスなど)の収集 | — |
| sw-development-plan | ソフトウェア開発計画書 | IEC 62304 §5.1 |
| sw-requirements-spec | ソフトウェア要求仕様書 | IEC 62304 §5.2, ISO 14971 §5.2 |
| sw-architecture-design | ソフトウェアアーキテクチャ設計書 | IEC 62304 §5.3 |
| sw-safety-classification | ソフトウェア安全クラスの分類 | IEC 62304 §4.3, §7.1 |
| sw-soup-list | SOUPリスト | IEC 62304 §5.3.3, §5.3.4, §7.1.3, §8.1.2 |
| sw-risk-management-plan | リスクマネジメント計画書 | ISO 14971 §4.4, IEC 62304 §4.2, §5.1.7, §7 |
| sw-usability-plan | ユーザビリティエンジニアリング計画書 | IEC 62366-1 §5 |
| sw-cybersecurity-risk | サイバーセキュリティリスクマネジメント文書 | AAMI TIR57 |
| pack-gap-review | ドキュメントパックの欠落項目レビュー報告書(読み取り専用) | — |
各スキルをドキュメントプロジェクトのドキュメントスキルとして選択すると、GitHubのコードと規格の条項をあわせて根拠にドキュメントを生成します。要求事項はREQ、アーキテクチャはARCHのように項目IDを付け、トレースできるように書きます。
生成されたドキュメントは、提出前に専門家によるレビューが必要な草案です。確定した認証プロファイルの値だけを事実として書き、それ以外は[GAP]として残します。安全クラスのように判断が必要な項目は、確定するまで任意に決めません。
利用範囲
規格文書ライブラリの検索は、規格のライセンスの確認に応じて段階的に提供されます。ワークスペースで規格の検索を利用できない場合、エージェントは規格を引用せず、ワークスペースの資料だけを根拠にドキュメントを書きます。利用できるかどうかは、support@specify.appまでお問い合わせください。